(13)対話力を高める5つの掟
★その1―唯我独尊に陥るな
まず、ボイスレコーダーを買うこと。そして、自分の話を録音して聞いてみる。なんと聞き取りにくい、魅力に乏しい声であるか、が分かる。
聞き取りにくいあなたの声を聴いてくれる相手の情けによって、対話は成り立つことを知るべきである。
腹式呼吸による発声訓練や口を大きくハッキリ開けて発音するなど、初心に返って努力する。
★その2―急いては事を仕損じる
一般的に多くの人に言えるが、話すスピードが速すぎる。速すぎると、言葉の意味も理解され難いし、軽々しい印象になる。意識してゆっくりしゃべる習慣を身に付けよう。もちろん、言葉は借り物ではなく、自らの言葉でしゃべること。
★その3―共感なくして対話なし
相手の意識をこちらに向けさせるには、相手と「共感の場」を持つことだ。例えば、相手が興味を持っていることや悩んでいることを聞き出し、タイムリーな話題も適宜盛り込み、相手の話すことに耳を傾ける。さらに大事なことは、相手の言っていることが仮に分からなくても、あきらめずに聞こうとする態度、何とか理解しようとする姿勢を相手に示すことだ。
★その4―間抜けな対話はつまらない
そして、「間」である。間とは、話の中に相手の理解を深める時間を与え、対話を円滑に進めるための緊張と緩和を巧みにつくり出す踊り場のことだ。間のうまい聞き方、話し方ができれば一流である。
★その5―見えない相手にこそ対話力がモノをいう
「瞬速」で進展する情報化社会。世の中が便利になればなるほど、この対話力が重要になる。顔も知らない相手に商品を販売するネット通販は、それだけの信頼を勝ち取る「もてなしの対話力」が不可欠だ。顧客の表情や声の調子などが一切無い「売り場」において繁盛しているネット店舗は、相手の要望を的確にくみ取り対応する細やかなサービス精神にあふれている。
それは「究極の対面販売」とも言うべき、相手を思いやる心である。