(9)自社の資金構造を解明する
業績が悪くなっても、企業は倒産しない。倒産する直接の原因は、資金ショートだ。
場合によっては、業績が向上していても、資金ショートにより倒産することもある。
そのため、財務諸表を分析する際は、企業の資金構造を解明しておくことが重要だ。ごく単純には、売上高の増減に応じて、どれだけ運転資金が必要なのかを調べてみる。
※小売業のように、日々、現金収入があるようなビジネスの場合、仕入れた商品に対する支払いは、数ヶ月先でよいので、手元に資金を確保しておくことができる。
とは言え、売上が増えている場合はよいのだが、売上が下降傾向になると、資金が逼迫してくる。売上が大きかった時点での仕入れへの支払いを、売上が減少した時点の資金で行わなければならないからだ。
タイミングがずれることにより、同一月内の収入と支出の根拠が整合しないため、そのような現象が起こる。
とは言え、売上が増えている場合はよいのだが、売上が下降傾向になると、資金が逼迫してくる。売上が大きかった時点での仕入れへの支払いを、売上が減少した時点の資金で行わなければならないからだ。
タイミングがずれることにより、同一月内の収入と支出の根拠が整合しないため、そのような現象が起こる。
自社の資金構造を分析してみれば、資金繰りが成り立つための前提は何か、わかるはずだ。その前提が崩れたらどうなるのか。経営に携わるのなら、必ず考えておかなければならない。
現実的かどうかは別としても、収入と支出のタイミングや根拠を整合させた上で、利益が出るのかどうかを考えてみること。それらのズレを軽視していると、落とし穴になりがちだ。