(6)売掛金管理を強化せよ

ある会社で、売掛金の回収が数カ月滞っていたにもかかわらず、商品販売を継続して行っていた。「売上計上されたものは入金されるのが当たり前」という感覚に会社全体が陥っていた。
やがて回収の滞っていた販売先が倒産に至り、大きな貸し倒れが発生することになった。
この事例は極端な例かもしれないが、売掛金回収に無頓着な企業が今でも多く見られる。

売掛金の回収業務は、すべて経理部や財務部といった管理部門が責任を負うと思われがちである。確かに売掛金の残高管理については管理部門の担当業務となるのであろうが、商品や製品を販売する部門である営業部門についても売掛金回収責任は大きい。

営業部門は販売することだけでなく、その代金を回収してこそ業務が完了する。
したがって、売掛金の回収責任は営業部門が負うことになる。

しかし売掛金回収の責任は営業部門にあるからといって、管理部門は何もする必要がないというわけではない。管理部門は帳簿の記入や金銭の出し入れだけでなく、社内の他部門との調整サポート機能とともに金銭面での社内牽制の役割を持つことを忘れてはいけない。

●営業部門・・・売掛金「回収」責任
●管理部門・・・売掛金「管理」責任

のように責任分担を明確にする必要がある。

 

各機能を細分化
●営業部門・・・販売と回収、販売先の経営状況や信用情報の入手、与信限度額の設定と与信管理
●管理部門・・・売掛金回収の出納と残高管理、売掛債権管理資料の提供、売掛金回収状況の調査

このように売掛金の回収・管理については、営業部門と管理部門それぞれが責任を持ちながら、協力し合う体制が求められる。


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