コンサルタントノウハウ(1)
(1)ダメなコンサルタントは自分の利益優先
- 私がこれだけの日数を割く必要があるので、これだけの金額が必要です(それで御社にどの程度の利益があるかは知りません)
- 私のもつノウハウはこれこれのシステムで、これこれの手順によって進めるので、これだけの期間と費用がかかります(それで御社側の事情がどうなのか、適合するのかは、知りません)
- 私のやったコンサルティングは正しいし、ちゃんと訪問してやっているので、私は間違っていないです(それで御社の社員が理解できて効果が現れて評価されているのかどうかは知りません)
- 私のコンサルティングに文句を言う前に、おたくの会社に問題があります(最初からそれをわかって引き受けたのでは??)といった空気を醸し出しています。
企業がコンサルタントに実際に要望していることを考えると、その分野で経験や見識のあるコンサルタントが、オーダーメイドで対応せざるを得ないのが現実だと痛感します。
(2)にぶい人は社員でもコンサルタントでも食えない
- 勘の悪い・空気を読めない
- 相手の気持ちを察知できない
- コンサルタントとしてリーダーシップを発揮できない
- プロジェクトを引っ張る力はない
- どこかぎくしゃくした印象・妙なところに執着心がある
このコンサルタントと自社の仲間として一緒に働きたいと思うか?と自問すれば明白です。
- コミュニケーションの勘所がよく・センスを感じさせる
- 手抜きせずおごることなく、勤勉な印象を受けます
- クライアントの利益に関心が高く。自分がどれだけ貢献できるだろうか?自分のノウハウでどこまで高いパフォーマンス(費用対効果としての結果)を出せるだろうか?と真剣に向き合っていることが分かるでしょう
(3)職業病と没個性
コンサルタントに悪意はなくとも、知らず知らずのうちに、「手順どおりに」汎用をベースにした提案書を作って「思考停止」しているのではないか?と思われるケースにも遭遇します。
シナリオをつつがなく消化することが目的化してしまっているため、やってみた結果、毒にも薬にもならなかったという感じでしょうか。
手順や型にはまるあまり、クライアントの姿を「率直に」見つめることができなくならないように気えをつけましょう!
(4)『講演のコツと文章のコツ』
お話と文章の違いといえば、文章は考えながら書けますが、話は考えながらできない。 その代わりお話は文章ほど組み立てがシビアでないので、多少はなしが前後しても表情や音声で理解してもらえるという利点があります。
講演にはコツがあるそうです。
「結論から始めよ、短く区切れ、適当に間をとれ」
これはそのまま文章のコツでもあります。 この3つを心がけるだけで随分読みやすい文章になります。
講演でこの3つを守れば講師として十分活躍できるように、ビジネス書やその他の一般書であれば十分著者としてやっていけます。 つまり講演と文章は基本が一緒ということです。
(5)営業の基本で営業効率を上げる
私が顧客ゼロ、売上ゼロからの出発にあたって取った営業作戦「同行訪問作戦」の成功を支えた要因をもう一度整理すると、以下のようになる。
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1.自分の専門分野を明らかにしたこと。
(初期の頃の私の専門分野は「人事評価制度と賃金制度の改革」と「幹部社員研修」だった) - 2.会計事務所の社員に自分の専門分野を繰り返しアピールしたこと。
- 3.同行訪問してくれる社員、紹介してくれる社員のメリットを考えたこと。そして、同行訪問の機会を得たこと。(門前払いされない状況を作ったこと)
- 4.お客様の相談に乗るという場面を数多く作ったこと。相談相手として認めてもらえる状況を作ったこと。
- 5.面談時間の70~80%を聞き役に回ったこと。
- 6.聞き役に回ることで、相談のポイントをつかんだこと。
- 7.タイミング良く、適切な質問をしたこと。
- 8.お客様の気持ちが十分に高まった頃を見計らって、お客様が決断しやすいように、取り組みの提案をしたこと。
考えてみると当たり前のことばかりなのであるが、仕事の取れない人はこの逆をやっている事が多い。たとえば次のようなことをしている。
- 1.自分の専門分野に集中してアピールすることをせず、「あれもできます。これもできます。」などと言って、結局何が得意な人なのか分からなくしている。
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2.自分のメリットばかりを考え、協力してくれる人、紹介してくれる人のメリットを考えていない。
(だから人の協力を引き出すことができない) -
3.お客様から見た時に、相談相手ではなく、売り込みをかけて来る相手として見られるような言動をしている。
だから、お客様は心を開いてくれない。結果として仕事が取れない。 - 4.面談時間の50%以上を、自分が話している。(やっぱり売り込みになっている)
- 5.相手の欲求中心ではなく、自分の売り込み中心で商談を進めようとしている。
- 6.質問をあまりしない。従って、お客様の欲求をつかみきれない。そして、平気でピントのはずれたセールストークを使ってしまう。
- 7.お客様がしらけていることに気が付かない。気持ちが全く傾いていないのに売り込もうとする。詳しく説明しようとする。(説明すればするほどお客様の気持ちは離れて行く)
このようなことを無意識のうちに行っていないか、自チェックして欲しい。
すべて基本的な事ばかりであるが、この基本ができているかどうかによって、営業の効率が大きく左右されることになる。
(6)自分の怠け心を撃退する効果的な独り言
私も普通の人間ですから、時々楽をしたいと思う事があります。
- 仕事を後回しにしようかな
- 今日はこのへんでやめておこうかな
そんな時、自分を勇気付け、あとひと踏んばりさせてくれる効果的な独り言があります。
「今やる、すぐやる、最後までやる」という独り言です。
このセリフを何回か繰り返すと、なぜかもうひと踏んばりできるようになるのです。
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稼げる人は
- ◇「仕事を後回しにしない」
- ◇「仕事の処理スピードが非常に速い」という特徴があるように思います。
経営コンサルタントは、次々に問題を解決していかなければならないので、仕事を後回しにしない習慣を身に付けておく必要があります。 仕事の処理スピードをもっと速くすることに挑戦して行く必要があります。
今やる、すぐやる、最後までやる!
(7)分かりやすく利用しやすいフロントエンドサービスを準備する
経営コンサルタントは、お客様の置かれている現状を把握し分析して、業績アップの具体策をアドバイスし、成果を上げて行く実力が要求されます。自分自身の客数アップを実現できない人が、お客様の客数アップを指導できるでしょうか?
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(1)セミナーを開催することが、フロントエンドサービスに該当します。
あなたが最も得意な分野で、見込み客が集まりそうなタイトルでセミナーを行ってみて下さい。 参加客は少なくても構いません。全力でセミナーを行い、情報を提供すれば、徐々に顧客が増えて行きます。 もしも、参加者を集める自身がなかったら、少人数のスタディグループや企業別研修会の講師を 引き受けるようにしてみて下さい。 たくさん引き受けるようにすれば、徐々に顧客が増えて行くようになります。 -
(2)比較的安い料金(または無料)で利用できる「お試しサービス」も有効です。
まずは、安い料金(または無料)で利用してもらってみて、気に入ったら使い続けてくれるように導いて行けば良いのです。
分かりやすく利用しやすいフロントエンドサービスを準備し、たくさんのタネをまくようにして下さい。
(8)お客様を増やすための前提条件
「自信を持って人に接する」
という当たり前のことです。
どの業界でもそうだと思いますが、何となく暗い感じのする人、何となく自信のなさそうな人には人を引き寄せる魅力がありません。
その結果、新規のお客様を増やして行くことに苦労してしまうのです。
自分自身の仕事の実績が十分でなかったり、十分な売上が確保できていないことなどが原因で、そのような雰囲気になってしまうのかもしれませんが、これは気を付けなければなりません。誰でも始めはゼロからのスタートです。
日々明るく元気に笑顔で人に接するようにして行きましょう。
日々仕事に打ち込み、特定の分野で絶対的な自信が持てるようになって行きましょう。
(9)一生自分を使ってくれる経営者を大切にする
どんなに一生懸命仕事をしても、顧客は永久に使い続けてくれる訳ではありません。
たとえば、次のような時、顧客は取引の中止を伝えてきます。
- 1.期待していたサービスが受けられないと顧客が感じた時(欲求が満たされない時)
- 2.料金に見合う価値を提供してもらえないと顧客が感じた時(費用対効果が悪いと感じた時)
- 3.新しく得るものがなくなったと顧客が感じた時(マンネリ化を感じた時)
- 4.自分が求めているものとコンサルタントが提供してくれるものがずれてきた時(求める相手が違うと思われた時)
- 5.根本的な相性が悪い時、考え方が違い過ぎる時
取引が中止になってしまったら、取引が中止になった理由を反省し、自分自身をもっと鍛えてもっと高めて行くようにしましょう。
そして、取引を続けてくれている顧客に感謝し、必ず報いるのだという決意を固め、仕事に打ち込んで行きましょう。
- 1・良き経営者との出会いはあなたの人生を好転させて行きます。
- 2・あなたを一生使ってくれそうな経営者がいたら、その経営者を大切にして下さい。
- 3・その経営者に対する感謝の念を強く持ちましょう。
- 4・その経営者の幸せを願って、そしてその企業を必ず成長発展させるのだという熱意を持って、今日も全力で仕事に打ち込んで行きましょう。